平成レトロを視覚的に印象づける要素の中で、
配色は最も分かりやすく、かつ記憶と直結しやすい要素である。
形や構成を細かく分析しなくても、
色を見ただけで「平成っぽい」と感じることが多いのは、
平成期の配色が非常に感覚的で、時代性を強く帯びているからだ。
このページでは、
平成レトロの配色を
原色・パステル・チープ感という3つの観点から整理する。
原色が多用された理由
平成レトロの配色でまず目につくのが、
原色に近い強い色使いである。
- 赤
- 青
- 黄
- 緑
これらが、
躊躇なく前面に使われているケースが多い。
この原色志向は、
美しさや調和を狙ったものというより、
目立たせる・分かりやすくするための選択だった。
平成期は、
情報量が急激に増えた時代であり、
色は「識別するための記号」として使われていた。
その結果、
落ち着いた配色よりも、
瞬時に認識できる強い色が選ばれやすかった。
パステルカラーが持つ平成的な役割
原色と並んで、
平成レトロの配色を特徴づけるのがパステルカラーである。
- 淡いピンク
- 薄い水色
- 明るい黄緑
これらの色は、
刺激が強すぎず、
柔らかく親しみやすい印象を与える。
パステルカラーは、
原色の強さを和らげる役割を果たし、
全体を軽く・楽しい雰囲気にまとめていた。
特に、
子供向け・若者向けの表現では、
このパステル調が頻繁に使われ、
平成レトロの「かわいさ」を支えている。
色数の多さと組み合わせの自由さ
平成レトロの配色には、
色数が多いという特徴がある。
- 複数の原色を同時に使用
- パステルと原色の混在
- 統一感より賑やかさを優先
現代の配色設計では、
色数を絞ることが一般的だが、
平成期はその逆だった。
これは未熟さではなく、
楽しさや勢いを優先した結果である。
「多少うるさくてもいい」
「分かりやすい方が正解」
という感覚が、
配色にもそのまま表れている。
チープ感が生まれる配色の正体
平成レトロの配色は、
しばしば「チープ」に感じられる。
しかしこのチープ感は、
質が低いという意味ではない。
- プラスチック素材と相性の良い色
- 印刷や表示の制約を前提にした色
- 高級感を狙っていない色選び
こうした条件のもとで選ばれた配色が、
結果としてチープに見えるのである。
重要なのは、
このチープ感が
安心感や親しみやすさとして機能していた点だ。
なぜ今、平成レトロの配色が目立つのか
現在のデザインは、
- 低彩度
- モノトーン
- 余白重視
といった方向に進んでいる。
そのため、
平成レトロの配色は、
現代の感覚から見ると非常に分かりやすく、
時代差が一瞬で伝わる。
色だけで年代を想起させるほど、
平成の配色は特徴的だったと言える。
配色は感覚の記憶を呼び起こす
配色は、
形や言葉よりも直接的に記憶と結びつく。
平成レトロの配色を見ると、
- 当時の空気
- 場所の記憶
- 使っていた物
が一気に思い出されることが多い。
この即時性こそが、
配色が平成レトロの中で
重要な役割を果たしている理由である。
Q & A
Q1. 平成レトロの配色はなぜ派手なのですか?
A. 目立たせることや分かりやすさを最優先していたためです。
Q2. 原色とパステルはなぜ同時に使われたのですか?
A. 強さと柔らかさを両立させるために、意図的に組み合わされていました。
Q3. チープ感は欠点ではないのですか?
A. 平成レトロでは、親しみやすさとして機能する重要な要素です。
Q4. 現代デザインと最も違う点は何ですか?
A. 色数の多さと、統一感より勢いを優先する点です。
Q5. 配色だけで平成レトロと分かる理由は何ですか?
A. 当時特有の色の組み合わせが、強い時代記号として記憶されているためです。


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